発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076371
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高齢者(60歳以上)の寛骨臼骨折に対する観血的治療法の臨床成績を報告した。対象は観血的整復固定術を行った60歳以上の寛骨臼骨折20例(男性16例、女性4例・平均年齢67.9歳)で、受傷原因は交通事故9例、転倒・転落9例、材木の挟撃2例であった。骨折型はJudet & Letournel分類で後壁骨折5例、両柱骨折15例、経過観察期間は平均1年8ヵ月であった。その結果、1)手術侵襲は、後壁骨折では手術時間平均1時間54分、術中出血量平均480ml、両柱骨折ではそれぞれ5時間20分、2616.3mlであり、60歳以下の同様手術の手術侵襲と有意差はなかった。2)臨床成績は優14例、良3例、可2例、不可1例と良好であり、X線評価では人工関節施行の1例を除き全例で3mm以下の整復が得られていた。3)術後合併症はBrooker分類II度以下の異所性骨化を3例に認めたのみで、術後経過は両骨折型とも術後6ヵ月でJOAスコア70点以上に達し、悪化例はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006