発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294312
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症例は56歳女性で、幼少時より全身に色素沈着と皮膚腫瘤が多発していた。背部の腫瘤が徐々に増大し、家族に背中を蹴られ気分不快となり、近医受診後に出血性ショックを来たし救急搬送された。血液生化学所見より播種性血管内凝固症候群と診断し、腹部CTで右腰部に26×23×11cmの腫瘤を認め、内部と周囲に造影効果が認められた。神経線維腫症1型および腫瘤内出血と診断し、CT血管造影で大動脈総腸骨動脈分岐直前からの栄養血管が認められた。左右腰動脈塞栓術を施行し、全身状態改善後に腫瘤切除術を施行した。腫瘤の栄養血管として計5本を同定し、それぞれ結紮した。棘突起部では一部腫瘤が深部に達していたが、腫瘤内切除とした。病理組織所見で、Meisnner小体様の構造がみられ、卵円形~軽度くびれた紡錘状核を有する腫瘍細胞がび漫性に増殖し、diffuse neurofibromaの像を認めたが、悪性所見はなかった。術後植皮した皮膚の生着は良好で、1ヵ月後に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012