発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012156570
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28歳男。17歳時に膝蓋骨脱臼の既往があった。敷石で足を踏み外して再度左膝蓋骨を脱臼し、直後に整復されたが脱臼不安感が持続した。X線像はQ角24°、tilting angle 14°、顆間溝角142°、適合角7°で、全身の関節弛緩性を認め、CTによる脛骨の外旋角度は8°であった。ハムストリング腱を用いて内側大腿膝蓋靱帯(MPFL)再建術を施行し、半腱様筋腱、薄筋腱を採取して3束で再建した。大腿骨骨孔作成の際に骨孔壁の近位部を破損したため、固定位置が近位に位置していることが術後判明した。術後4週で屈曲は60°までで、疼痛を伴っており、大腿骨移植腱の固定位置周囲に異所性骨化が認められた。術後8週目に再手術を行い、骨化巣を切除して大腿骨側の固定位置を初回手術の遠位、後方でMPFLの解剖学的付着部内で再度骨孔を作成した。術後8週には145°の屈曲が可能となり、1年後には長時間の正座ができ、骨化性筋炎の再発もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012