発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は31歳男性で、バイク走行中に路傍より突き出た竹が左大腿内側に突き刺さり、転倒、受傷した。CTで左大腿近位内側に複数の竹片と思われる異物を認めたが、左下肢の神経、血管損傷を疑う所見はなかった。初回手術で縫工筋内と周囲の竹片を摘出し、衣服として着用していた合皮性の皮片も摘出した。摘出後創部を十分に洗浄後、ドレーンを留置し閉創した。術後、抗菌薬投与で経過観察を行ったが38℃台の発熱が持続した。血液検査で白血球数(WBC)、CRPの上昇を認め、左殿部の痛みも著明で造影CTを施行した。縫工筋内に異物残存及び膿瘍を疑う所見を認め異物摘出術を行い竹片を摘出した。術直後、大殿筋内に異物を認め、再度異物摘出術を行った。更に再々手術で異物を取り除き、最終手術後12日目にWBC、CRPが正常値まで改善し、独歩で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011