発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226901
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症例1は17歳男子で14歳時よりサッカー練習後に左股関節痛が間欠的に出現し、17歳時に増悪し、X線像上異常を指摘され受診した。跛行及び軽度の可動域(ROM)制限を認め、JOAスコアは58点であった。脊椎に骨系統疾患などの異常はなく、両膝関節に離断性骨軟骨炎などの異常所見はなかった。X線像では骨頭荷重関節面に嚢胞様骨透亮像を認め、左側の骨頭径は健側に比べ大きく、頸部短縮を認めた。CT、MRIでは骨端部に限局した嚢胞様病変を認め、離断性骨軟骨炎様の遊離体は認めなかった。また、大腿骨頭壊死にみられるT1強調像での帯状の低信号域も認めなかった。大腿骨頭の骨化障害による変形性股関節症と診断し手術した。術後半年で全荷重歩行とし疼痛なく歩行可能である。症例2は24歳男性で、20歳時にサッカー中、左股関節痛のため体動困難になり安静で疼痛は軽快したが24歳時に安静時の左股関節痛が出現し、大腿骨頭壊死を疑われた。脊椎や両膝関節に骨系統疾患、離断性骨軟骨炎などの異常所見はなく、症例1と同様の画像所見であった。大腿骨頭の骨化障害による変形性股関節症と診断し、大腿骨転子間彎曲内反骨切り術を施行した。術後8年関節症の進行はなく骨化障害は改善した。
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