発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036237
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反張膝を有し,受傷原因がスポーツであった68例に対する前十字靱帯(ACL)再建術について検討した.ACL再建術後の過伸展角度は術前12.4±3.4°,術後4.2±1.9°で,やや過伸展が残存する傾向にあった.徒手不安定検査では,Lachmanテスト,ピヴォットテストともに若干の弛みが残存した症例が認められた.術後1年時の再鏡視時に再建ACLのroof impingementを53例(78%)に認め,再度顆間窩形成術を追加した.脛骨前方変位量には術後経過と共に弛みが生じる傾向があった.再断裂を生じた症例は68例中9例であった.術後3ヵ月間Don-Joy膝装具を伸展制限した群と制限しなかった群では,伸展制限した群で若干過伸展の程度が少なかった.再断裂を生じた割合は,伸展制限群が1例,伸展制限しなかった群が8例であった.反張膝を有する症例に対するACL再建術では術後過伸展や前方動揺性の残存がみられ,また,再建靱帯のnotch impingementや再断裂が危惧されるため,Don-Joy膝装具による伸展制限などの後療法が有効であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005