発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011071997
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脊椎手術253例を対象に、術後からFDP D-dimer(DD)を週1~2回測定した。その結果、深部静脈血栓症(DVT)の発生率は6.7%(17/253例)で、うち16例が無症候性であった。術前発症は4例、術後発症は13例で、術後3~22日の間に発生していた。近位型は4例、遠位型は13例であった。DDが15μg/ml以上でCT venographyを行った15例中12例(80%)にDVTを認めた。連続してDDが10μg/ml以上15μg/ml未満で、CT venographyを行った11例中5例(45.4%)にDVTを認めた。肺血栓塞栓症(PTE)の発生率は2.4%(6/253例)で、全例が無症候性、術前発症は3例であった。DDが15μg/ml以上でCT venographyを行った15例中5例(33.3%)にPTEを認めた。連続してDDが10μg/ml以上15μg/ml未満で、CT venographyを行った11例中1例(9.1%)にPTEを認めた。静脈血栓塞栓症の陽性群におけるDD値は、PTEあり群、PTEなし群、近位型DVTあり群、近位型DVTなし群で有意差を認めなかった。
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