発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055702
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61歳男性。患者は両足趾からの膿が出現し、うじ虫もわき、自分で市販の軟膏とティッシュペーパーを用いて創処置を行うも改善せず、全身倦怠感と摂食不良が出現したため、著者らの施設へ入院となった。既往歴に糖尿病があったが無治療で、HbA1cは高値を示した。両足部には著明な発赤と腫脹がみられ、皮膚は広範に壊死し、趾間にはうじ虫が多数認められた。糖尿病性足壊疽と診断し、創処置を継続したが改善せず、左大腿切断に続き、右第4、5趾の切断と足外側壊死部のデブリドマンが行われた。更に開放創に対し高気圧酸素療法(HBO)を施行したところ、HBO減圧中に心電図上で著明なST上昇がみられ、急性心筋梗塞症と診断、減圧完了後、直ちに血管造影を行ったところ、右冠動脈#3に完全狭窄が確認され、バルーンカテーテルによる狭窄部の拡張およびステントを留置した。以後、HBOは中止し、患者の希望により転医となった。
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