発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055700
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12歳男児。患者は右下腿外側の腫瘤を主訴に近医を受診、横紋筋肉腫と診断され、著者らの施設へ紹介となった。初診時、右下肢外果部を中心に約10cmの腫瘍が認められ、MRIでは腓骨との癒着が強く、骨合併切除が予想された。そこで、術前化学療法後、広範切除術が施行された。手術は外果部の踵腓靱帯付着部を残して腓骨を切除し、ISP法を用いて長母趾伸筋腱、長趾伸筋腱、長腓骨筋を温存した。更に腫瘍とともに合併切除した短腓骨筋の断端を長腓骨筋に縫合し、欠損部は遊離肩甲骨付き皮弁を用いて足関節外果部を再建した。その結果、皮弁は良好に生着し、外果部の肩甲骨移植部位は良好な骨癒合が得られた。目下、手術から1年6ヵ月経過で右足関節の動揺性は認められず、装具なしの歩行や患肢のつま先立ちも可能である。尚、ISOLS/MSTS機能評価法は30点であった。
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