発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010265976
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変形性近位指節間関節症17例に対しコールドスプレーを用いて痛覚を低下させる前処置の後、ヒアルロン酸関節内注射を2回行い(HA注射群)、4週間後の治療効果を矯正装具装着群15例(装具群)、消炎鎮痛薬治療群16例(対照群)と比較検討した。その結果、1)全例が4週間の予定治療を達成していた。2)治療前後におけるAUSCAN手部OA指数の改善点数は装具群-2.7±5.9点、対照群1.7±5.6点、HA注射群-6.1±7.3点であり、HA注射群と装具群、HA注射群と対照群の間で有意差が認められた。3)治療前後での握力の変化は装具群では1.0±2.2kg増加し、HA注射群では2.5±4.4kg増加していたが、対照群では0.75±3.0kg低下し、HA注射群と対照群の間で有意差がみられた。以上、これらの結果から、変形性近位指節間関節症に対する冷却処置後のHA注射の効果は、矯正装具装着による効果や消炎鎮痛薬のみで治療した効果より有意に優れていることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010