発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187311
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73歳女。12歳時に右化膿性関節炎に罹患し、その後強直股となっていた。49歳時に変形性腰椎症、右強直股と診断され加療されていたが、今回、腰痛、左大腿痛、膝痛が増強した。単純X線で右股強直、右骨盤の挙上と腰椎の変性側彎を認め、骨盤CTで中臀筋および大臀筋の萎縮を認めた。人工股関節全置換術を施行し、術翌日からベッド上での可動域練習や筋力増強運動などを開始した後、リハ室で平行棒内での立位・歩行訓練を開始した。しかし、患者から「右股関節への力の入れ方がわからない」との訴えがあり、更に外転筋力をはじめ股関節周囲筋力の改善が得られなかったため、術後3週からバイオフィードバック機器を使用して筋力増強訓練を行った。その結果、術後8週には外転筋力は右が58N、左は22N増加し、表面筋電図においても中臀筋収縮時の振幅の増大を認めた。腰痛、左大腿痛および膝痛は消失し、T字杖歩行にて術後8週で退院となった。
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