発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314615
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2007年9~11月の脊髄造影(1泊入院)41件を対象に診断群分類包括評価(DPC)と出来高計算での診療報酬とを比較した。DPCでの診療報酬の平均78,027円に対し出来高計算では平均89,471円で、1件当たり平均11,444円、総計で531,270円の減額であった。出来高計算での入院料51,524円と画像34,067円の合計85,591円ですでにDPCを上回っていた。DPCコードが適用されていても診療内容が異なる可能性が高く、安静療法を行う5日間以上の入院期間の施設ではDPCは出来高計算より増収で、検査目的の3日間以内の短期間入院施設ではDPCは減収となる。DPC導入により医療は効率化だけでなく経済面からも論じられるようになり「より少ない費用での治療」という意味にすり替わる事への懸念があるが、急性期病院に短期間で高度な医療を期待するのであれば必要な診療報酬は担保されるべきであり、DPCシステムには再検討すべき点があると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009