発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003489
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異なった縫合方法による縫合半月の力学的強度について検討した。方法はブタの内側半月の中後節移行部に20mm長の縦断裂を作製し、水平マットレス縫合(H群)と垂直ループ縫合(V群)を行って比較した。その結果、1)引っ張り試験機で繰り返し屈伸負荷を加え、負荷中に縫合部が破断した検体はなく、縫合部の開大距離はH群:0.26mm、V群:0.28mmと有意差はなかった。2)取り出した半月の引っ張り試験で長軸に沿って断裂が完全に切離する最大破断強度と縫合した方向に張力をかけたときの剛性は、屈伸負荷を加えなかったSL群のH群:61N、7.4N/mm、V群:65N、9.9N/mmと剛性で有意差が認められたが、屈伸負荷を加えたCL群のH群:49M、7.4N/mm、V群:51N、8.1N/mmとはいずれも有意差はなかった。また、SL群のV群に比しCL群のV群で剛性が有意に低下していた。3)破断様式はSL群で縫合糸の断裂が多く、CL群のV群では縫合糸の刺入部が長軸に沿って離開し、縦断裂を生じて縫合糸が引き抜けた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008