発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003488
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慢性腰痛に対する薬物療法の治療効果の予測について検討した。対象は6ヵ月以上持続する慢性腰痛患者80例で、薬物投与前と4週後に簡易型McGill疼痛質問表(SF-MPQ)を用いて15項目の痛みを表現する言葉の質問表(PRI)のスコアについて変数選択・重回帰解析を行い、各項目の初期値が合計スコアの改善率に及ぼす影響について調べた。その結果、投与薬物は抗うつ薬のミルナシプラン塩酸塩(32例中28例で解析)、パロキセチン塩酸塩水和物(23例中20例で解析)、漢方薬の牛車腎気丸(25例中24例で解析)で、いずれも分散分析ではp<0.001となり、それぞれの重回帰関数は予測に役立つことが判明した。2)選択された説明変数はミルナシプラン塩酸塩で7項目、パロキセチン塩酸塩水和物で6項目、牛車腎気丸で2項目であり、PRIのズキンズキンする痛み・ビーンと走るような痛み・ひきつるような痛み・重苦しい痛みの4項目は両抗うつ薬で共通していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008