発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
上肢の麻酔を必要とした患者212例(男85例・女127例・平均50歳)を対象に、動脈貫通法による腋窩ブロックの各過程の痛みの程度を調査した。腋窩ブロックは、20mlの注射器に局所麻酔薬として1~2%のメピバカイン塩酸塩、あるいは0.5%ブピバカイン塩酸塩水和物を入れ、長さ13mm、ショートベベルの26G針を用いて行った。調査方法は、針刺入時、局麻注入時、神経穿刺時のそれぞれの痛みを、手術室入室前に血管確保のため刺入した20~22Gの静脈留置針(IL)の痛みを100としたVASで評価した。有効回答は176例(男69例・女107例・平均48歳)より得られ、ブロック時に神経穿刺による放散痛を生じたのは59例であった。VASの平均値は、針刺入63、局麻注入49、神経穿刺84で、いずれもILの痛みより有意に小さかった。なお、ILの刺入部が上肢の場合と下肢の場合に分けた評価でも同様の結果であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008