発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008366099
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動脈貫通法による腋窩ブロックで上肢の麻酔を行った201例を対象として、本ブロックの安全性について前向きに調査を行った。使用した局所麻酔薬(局麻薬)は1%又は2%メピバカイン塩酸塩、或いは0.5%ブピバカイン塩酸塩水和物20mlで、9例で20万倍アドレナリンを加えた。手術部位は肝・上腕25例、前腕4例、橈骨遠位端を含む手関節109例、手指63例であった。ブロック時に放散痛を生じたのは201例中59例あり、ブロック時一過性の動脈スパズムを2例に認めた。ブロックによる不全麻痺はなく、術後1週目に201例中4例で術前になかった腋窩部のTinel徴候があった。そのうち2例でブロック時に放散痛を生じた。腋窩部の圧痛を3例に認めたが、ブロック時放散痛を生じたものはなかった。これらの7例はいずれも術後3週目に症状は消失していた。血管の合併症は全く認めなかった。1例で反射性交感神経性ジストロフィーを生じたが、星状神経節ブロックに反応し理学療法にて症状改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008