発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178580
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結核性あるいは非定型抗酸菌性脊椎炎と診断し、下肢に脊髄症性運動性麻痺を認めて手術を行った23例(男15例・女8例・平均69.5歳)について報告した。罹患部位は頸胸椎移行部1例、胸椎15例、胸腰椎移行部2例、上位腰椎3例、胸椎・腰椎、胸椎・腰椎・仙椎各1例で、術式は前方固定9例、後方固定1例、前方・後方固定10例、椎弓切除+後方固定3例であった。術後追跡期間5~180ヵ月で、運動麻痺の改善は20例に認め、Frankel分類で1段階改善が13例、2段階が5例、3段階が2例で、いずれもD以上となった。改善までに要した期間は30~510日で、5ヵ月以内に半数以上が回復した。2段階以上改善の7例では経時的な回復を示した。改善がなかった3例はFrankel分類Aの1例とCの2例で、A例は後方除圧術の後に前方固定術を施行したが矯正増悪で再手術となった。麻痺改善度および改善までの期間は、術前の麻痺の重症度や脊柱管占拠率、後彎角と関連を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008