発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149286
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53歳女。左足部重苦感を主訴とした。29歳時より全身性エリテマトーデス(SLE)のため加療を受けていたが、4年前より左足部内側の突出変形が徐々に進行した。初診時、両外反母趾および可撓性の両外反扁平足と膝伸展位での足関節背屈制限、両踵部の外反を認め、左足X線像では荷重時に距舟関節が脱臼して足部の縦アーチが消失した。手術により左足部関節軟骨を切除し、距舟・距踵・踵立方関節をcannulated cancellous screw3本で固定し、自家骨とβリン酸三カルシウム性人工骨補填材を混合して間隙に移植した。さらに腓腹筋を横切し、アキレス腱延長術を行った。術後1年6ヵ月現在、歩行時の重苦感は軽快し靴装着歩行も違和感なく可能である。本例は手部および頸部でもSLEによる全身性の関節・靱帯弛緩を認め、外反扁平足は足根骨間関節の不安定性が要因と推察された。
©Nankodo Co., Ltd., 2008