発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146468
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31歳女性。患者は腰背部痛で受診となった。X線ではL3、L5に楔状変化が認められ、骨密度は若年成人女性の60%、尿中DPD Cr換算値8.2nmol/mmol Crと高値であった。高回転型骨粗鬆症と診断し、エチドロン酸二ナトリウムの投与を行なうも骨密度減少は止まらず、更に腰背部痛が増強したため体動困難となった。そこで、カルシトニン製剤エルカトニン(ECT)の週1回筋肉注射を開始した結果、皮膚温度に変化がみられ、血流測定では背中と下腿の血流増加を認めた。この腰痛寛解はECTの作用と考え、封筒法によるダブルブラインドで選択投与を行なったところ、ECT投与で疼痛、四肢のしびれ、time up and go、Barthel指数はいずれも改善し、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(NTS)も同等の効果を示し、ECTとNTSの両者投与で相乗効果を認めた。また、ECT投与でノルアドレナリンの上昇も認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008