発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091688
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発症時、既に複数椎体に進展し、急速に腹腔内に増大して消化管と交通した腰仙椎骨巨細胞腫の1例を報告した。症例は21歳女性で、自動車乗車中、突然の腰背部痛を自覚し、その後、両下肢の運動知覚障害、及び排尿障害が進行した。単純X線像では、腰仙椎の移行椎、及び移行椎椎弓の低形成を認めた。MRI矢状断像では、L6椎体を中心に腹側、背側骨外に進展した巨大腫瘤を認めた。CTでは、L6,及びS1には椎体から両側椎弓に骨融解性病変を、椎体前方には病変の骨外への進展を示唆する軟部陰影の腫脹を認めた。生検術によりL6~S1骨巨細胞腫と診断した。完全切除は困難で、腫瘍内切除を行った。術後、下肢のしびれ感、筋力低下、及び膀胱障害は改善したが、術後7ヵ月で再発した。ラジオ波焼灼術、腫瘍塞栓術に効果はなく、術後16ヵ月、腹部の膨満軽減と腫瘍内部の多量のガス像を認め、術後23ヵ月で背側皮膚部へ自壊し、死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008