発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008030683
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透析手根管症候群24例30手(男11例、女13例、41~84歳)を対象に小皮切手根管開放術の成績について検討した。透析歴は平均17年、術後経過観察期間は7~40(平均24)ヵ月、浜田分類でグレードIが11手、IIが16手、IIIが3手であった。手術適応は初回手術例で手指拘縮のため腱剥離など必要ないもので、痛み、しびれで日常生活上支障をきたしてるものとした。全例で夜間痛、透析時の強い痛みは術後早期に消失した。Kellyらの評価はpoorはなく、excellent16例、good14例、fairなく、ビジュアルアナログスケール(VAS)は術前平均92.5が術後平均5.3と改善した。術中神経・動脈損傷はなかった。最終診察時に創部痛、有痛性瘢痕、pillar painを訴える患者はなく、期間中再発例はなかった。手術方法として安全・確実で、透析手根管症候群に対し有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007