発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149741
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11歳6ヵ月男児。患者は右大腿骨遠位部通常型骨肉腫に対する腫瘍広範切除と延長型人工膝関節による再建術後、メトトレキサート(MTX)を中心とした化学療法を再開したが、術後7ヵ月より誘因なく右足関節痛が出現した。足関節関節X線では右脛骨遠位骨幹端部に帯状の骨硬化像を認め、骨シンチグラムでは右脛骨遠位部に異常集積がみられた。更に術後12ヵ月の単純X線では右脛骨遠位骨幹端内側に脆弱性骨折を認め、外用剤にて経過観察したところ、術後24ヵ月の帯状硬化像は痕跡となって近位側へ移動した。以上、本症例はその臨床的経過からもMTXに起因する脆弱性骨折であったと推察された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007