発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117998
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mini-mental status examination(MMSE)24点以上の高齢者103例に対し人工膝関節全置換術(TKA)を行い、術前評価として認知機能評価MMSEの有用性について検討した。対象を75歳以上の後期高齢者(OO群)59例と65歳以上74歳以下の前期高齢者(YO群)44例に分け、比較した結果、変形性膝関節症(OA)における術後JOAスコア、JOAスコア改善率はOO群で有意に低かったが、いずれの群も術前後でJOAスコアは有意な改善を認め、関節リウマチ(RA)では術後JOAスコアはOO群とYO群で有意差は認めず、術前後でJOAスコアは有意に改善し、OA例、RA例ともに後期高齢者のTKA術後成績は満足できるものであった。術後のせん妄発症率は両群ともに各1例で有意差は認めず、術後せん妄発症例のMMSEはYO群27点、OO群29点であった。その他合併症の発症率に、両群で有意差はなかった。以上、TKAの術前評価としてMMSEは、後期高齢者でも後療法に支障を来すことなく一定の術後成績が得られ、有用であることが確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007