発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006128143
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65歳女.半年前からとくに誘因なく右肘~前腕部の回旋に伴う痛みやだるさが出現し近医にて保存的に加療を受けるも改善せず,疼痛が増悪した.右肘前面に疼痛,圧痛,腫脹,前腕部への放散痛を認め,前腕の回内・回外にて疼痛は増強し,日常生活動作にても疼痛が出現した.単純X線像で橈骨粗面の外果腫様過形成を認め,超音波所見とMRIより上腕二頭筋橈骨滑液包炎と診断し手術を行った.術後1年で疼痛は完全に消失し,日常生活上の支障はなくなった.症例2:55歳男.右肘~上腕部への痛みが3ヵ月前からとくに誘因なく出現した.圧痛は不明確であったが,回外にて疼痛は増強した.単純X線像,MRIにて異常は指摘できず,消炎鎮痛剤の投与と局所の安静では改善せず,外上顆へのステロイド注射も無効であった.3ヵ月の保存的治療でも改善しないため,再度MRI検査を施行したところ,上腕二頭筋橈骨滑液包炎と診断し,手術にて右上肢痛は徐々に改善し,術後3週間で完全に消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2006