発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036254
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11歳男.半年前から左膝内反変形が進行し,近医にてadolescent type Blount病と診断され当科紹介となった.9歳時より週3回バスケットボールを行っていたが,明らかな外傷歴はなかった.患側大腿脛骨角(FAT)は200°,脛骨骨幹端骨幹角は20°と脛骨の内反変形を認めた.断層X線像では脛骨の近位成長軟骨板内側部に骨性架橋が存在していた.骨性架橋を切除し,遊離脂肪移植を行うとともに,脛骨粗面下で矯正骨切り術を行い,Charnley創外固定器で固定した.術後FATは175°と改善されたが,術後1年9ヵ月で178°,2年3ヵ月で180°と,growth spurtにより軽度の内反変形が進行した.術後4年の時点で身長は約25cmm伸びたものの,顆間距離は1横指,脚長差0.5cm,単純X線像ではFTAは健側181°に対して患側180°であり,遊離脂肪移植部の再架橋化はみられなかった.遊離脂肪がinterpositional materialとしての役割を十分に果たしたものと考えられた
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