発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004694
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51歳女.主訴は両側股関節痛.ROM制限があり,日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)で疼痛は右30点/左30点で,総計が右79点/左80点であった.X線にて両側大腿骨頭に帯状硬化像を認め,右骨頭側面像で壊死部は頂上部に限局していた.RMIでは両側大腿骨頭にT1およびT2強調像で帯状低信号域を認めた.骨シンチグラムでは両側大腿骨頭に異常集積を認め,右側がより強かった.特発性大腿骨頭壊死と診断し,疼痛の軽減と変形性関節症への進展予防のため,右転子部内反骨切り術を行った.術後右股関節痛は軽減したが,左股関節痛は徐々に増強し,X線像上左大腿骨頭内の帯状硬化像がより明瞭になり近位部に圧潰を生じた.このため右転子部の抜釘と左転子部内反骨切り術を行った.いずれの手術後も術後2週半で車椅子移動開始となり,8週で2本松葉杖を用いた部分荷重歩行を行い,術後半年で全荷重歩行許可とした.左術後2ヵ月のX線所見で左転子部の骨癒合は得られており,両側臼蓋荷重部に骨頭健常部が対峙していた
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