発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202434
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54歳女.左足背部痛を主訴とした.36歳時に症状が出現して以来,1年に1回程度,同部に疼痛を自覚した.X線所見では異常を認めず外用薬で治まっていたが,痛みが増強し同部の腫脹,発赤,局所熱感を認めた.臨床症状,血液検査,X線,骨シンチグラム,MRI各所見より,第2中足骨に発生した化膿性疾患を疑い,セフカペンピボキシルの内服を行ったところ症状は著明に改善した.以上より,慢性骨髄炎(Brodie骨膿瘍)を強く疑った.手術所見では,腱周囲の滑膜様組織の増殖および病巣部の肉芽様組織の充満を認め,病巣部を開窓し掻爬・洗浄を行って閉創した.病理組織学的所見より,慢性骨髄炎の確定診断を得た.術後経過は良好で,症状や検査値は速やかに改善した.術後3ヵ月間の抗菌薬内服を行い,現在まで再発は認めない.なお,中足骨に発生したBrodie骨膿瘍の報告は,今までに3例のみである
©Nankodo Co., Ltd., 2005