発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154780
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マウスコラーゲン惹起関節炎に対する電磁場の影響について6週齢DBA/マウスを用いて検討した.実験ではウシII型コラーゲン粉末を0.01N酢酸溶液に溶解して2mg/mlのコラーゲン溶液を作製し,マウス1匹あたり0.1mlをマウスの背部皮下に5~6ヶ所に分けて注射し0.20~15Gsの電磁場内と電磁場外(対照群)で飼育して関節炎の惹起状況を観察した.さらに惹起注射3週後にコラーゲン溶液をマウス腹腔内に注射して追加免疫を行った.その結果,対照群と比較し各電磁場強度に従って関節炎の発生が抑制された.惹起注射8週後の抗コラーゲン抗体力価は各群で有意差を認めなかった.惹起注射後3週後に関節炎が発生した電磁場強度15Gs継続負荷群では関節炎の発生率,腫脹・発赤程度,発生時期ともに対照群より有意に抑制されていた.以上より,II型コラーゲン注射によって惹起されたコラーゲン関節炎の発生には抗コラーゲン抗体ではなく細胞性免疫反応が主な役割を演じているものと考えられ,電磁場によって関節炎発生は抑制された
©Nankodo Co., Ltd., 2005