臨床室
大腿骨骨嚢腫に対し鏡視下にリン酸カルシウム骨ペーストを充填した1例
喜多 晃司
1
,
西村 明展
,
松峯 昭彦
,
伊東 直也
,
加藤 公
,
須藤 啓広
1三重大学 整形外科
キーワード:
Calcium Phosphates
,
X線診断
,
骨嚢腫
,
MRI
,
掻爬術
,
大腿骨
,
内視鏡法
,
骨代用物
Keyword:
Calcium Phosphates
,
Bone Cysts
,
Curettage
,
Endoscopy
,
Femur
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Bone Substitutes
pp.1062-1065
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403085
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症例は剣道部所属の15歳男性で、左膝痛を主訴とした。14歳頃より長距離走の後に左大腿遠位内側部に疼痛が出現した。単純CTで左大腿骨遠位内側部に骨透亮像、一部に皮質骨の菲薄化を認め、内部後面より髄質と等信号の放射状陰影を認めた。MRIのT1強調像で低信号、T2強調像で高信号、ガドリウム造影像で造影されない腫瘍性病変を認め、CTで確認された放射状陰影と同様の部位にT1、T2強調像でともに髄質より低信号、筋より高信号の領域を認めた。単発性骨嚢腫を疑い、鏡視下病巣掻爬および人工骨充填術を施行した。人工骨はリン酸カルシウム骨ペーストを用いた。術翌日に1/2荷重、術後7日に全荷重訓練を開始した。術後2ヵ月に剣道に復帰し、術前の症状であった運動時の疼痛も改善した。術後3年の現在、再発を認めていない。
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