発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064348
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54歳男.右踵部皮膚壊死を主訴とした.交通事故にて受傷し,複数ヶ所の骨折とinstep areaに及ぶ右踵部皮膚の手袋状剥皮損傷を認めた.救急救命センターにて骨折部の観血的整復固定術と剥離皮膚の一次的縫合が行われたが,踵部に広範な皮膚壊死をきたした.皮膚再建に際して内側足底皮弁を用いるには壊死部の範囲が広く,一部皮弁採取部にかかることから逆行性浅腓腹動脈皮弁による再建を計画した.壊死部をデブリドマンした後,皮膚欠損部を10×13cm大の逆行性浅腓腹動脈皮弁にて被覆,再建し,採取部には大腿部から遊離分層植皮を行ったところ,皮弁は特に問題なく生着し,術後1年時,明らかな知覚は存在しないが移植皮膚の厚みも自然なものとなった.踵部再建の第一選択は内側足底皮弁と考えられるが,同皮弁が利用できない時には逆行性浅腓腹動脈皮弁が有効であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004