整形手術手技
下腿以遠の外傷により生じた軟部組織欠損に対する浅腓腹動脈皮弁の経験
菅沼 省吾
1
,
多田 薫
,
瀬川 武司
,
池田 和夫
,
土屋 弘行
1金沢大学 大学院整形外科
キーワード:
下肢外傷
,
下腿
,
外科的皮膚弁
,
膝窩動脈
,
軟部組織損傷
,
穿通枝皮弁
Keyword:
Leg
,
Leg Injuries
,
Popliteal Artery
,
Surgical Flaps
,
Soft Tissue Injuries
,
Perforator Flap
pp.353-357
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197299
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下腿以遠の外傷で生じた軟部組織欠損に対し、浅腓腹動脈皮弁(SSAF)を行った15例(男9例、女6例、手術時平均年齢48.1歳)について検討し、その適応と皮弁を要した経緯を考察した。骨折型は脛骨骨幹部骨折6例、踵骨骨折4例、足関節骨折3例、その他2例であり、皮弁は近位茎1例を除いて全例遠位茎で挙上した。皮弁の転帰は完全生着11例、完全壊死1例で、部分壊死3例と採取部の一期的閉鎖ができなかった2例に対する追加処置は不要であった。皮弁を要した経緯は開放骨折が4例、開放骨折後の骨髄炎が4例、術前に腫脹があり皮膚壊死に至ったものが3例、プレートの刺激による軟部組織欠損が2例、不明が2例であった。下腿以遠の外傷で生じた軟部組織欠損に対するSSAFは有効であり、骨折の治療に際しては、防ぎ得たflap surgeryを低減すべく、軟部組織の状態に配慮した初期治療が重要であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013