発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048450
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450歳男.40歳時から糖尿病にて経口投薬加療中であった.3日前から誘因なく左下腿上外側部の疼痛と腫脹が出現し,痛みのため車のアクセルが踏めなくなり来院した.初診時,MRI所見では腓腹筋内・外側頭にT1強調像で等信号,T2強調像で高信号域を示し,高血糖と炎症反応が認められたことから化膿性腓腹筋炎の診断で経口抗生剤投与を開始した.しかし,左下腿痛と腫脹が軽減しないため蜂窩織炎・壊死性筋膜炎・血栓性静脈炎などの可能性も考え,再度MRIを施行した結果,左下腿腓腹筋内・外側頭部にT2強調像で地図状の高信号域が認められた.糖尿病性筋梗塞の診断にて入院となり,患肢の安静挙上・固定・冷却・消炎鎮痛薬と抗生剤投与による保存療法を継続した結果,10日目には左下腿痛や腫脹は軽減し,MRI所見では罹患腓腹筋部のT2強調像での高信号域は著明に改善された.入院第16病日には左下腿痛と腫脹が消失し,何らの機能障害も残さず退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2003