発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004016001
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70歳女.主訴は右小趾背側の難治性瘻孔.数年前より右第5趾背側に鶏眼が生じ,レーザーによる切除術を行ったところ,皮膚が壊死し切除部から骨が露出した.6ヵ月間排膿が続き,その間2回の掻爬術が行われたが,瘻孔が遺残した.初診時,右第5趾背側部に瘻孔を認め,周囲の皮膚に瘢痕拘縮を認め.画像所見では右第5趾基節骨の背側骨皮質に長さ1.2cm×幅4mmの融解像と分離骨片が明らかとなった.瘻孔切除と骨掻爬を行い,その際に小趾背側に生じた1×1cmの皮膚欠損に対して,隣接する第4趾の背側より長さ4cm,旗部分の大きさが1×1cmのflag flapを皮下脂肪と足趾背側静脈をつけて起し,これを第5趾背側に移行して皮膚欠損部をおおった.隣接趾の皮膚欠損部には全層植皮を行い,旗の頸部分の皮膚を直接縫合して閉鎖した.術後に皮膚は生着し,骨髄炎は鎮静化した.術後3年の経過観察では移行した皮膚の状態は良好であるが,第5趾背側の皮弁部分に鶏眼が再発している
©Nankodo Co., Ltd., 2003