発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252301
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膝関節軟骨下に発生した腫瘍に対する関節軟骨を温存した再建術の,膝関節および患肢機能の評価,X線学的な関節症変化の評価,膝関節・患肢機能および関節症変化に影響を与える因子について検討した.対象は,術後経過が1年以上観察でき,現時点で腫瘍が存在しない28例とした.術後膝関節機能,患肢機能はおおむね良好であった.X線像上,約50%の症例がgrade 2以上の関節症変化を示し,X線評価は膝関節機能や患肢機能評価と有意な相関がみられた.経過観察中にX線像上関節変化が進行した症例もあり,長期経過観察が必要と考えられた.腫瘍径が大きいもの,腫瘍占拠率が大きいもの,腫瘍再発による再手術例や病的骨折例は関節症変化をきたしやすく,術後関節症変化が進行しやすいことが判明した.従って,こうした症例では,二期的な変形矯正も考慮すべきであると考えられた.また,関節軟骨に達するまで病巣掻爬を必要とした症例では,長期のX線学的経過観察が必要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003