発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003025916
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1996年9月出生の男児で出生時より右反張膝と両足部の外反変形を指摘され,生後6日目に紹介された.初診時患児の顔貌は特徴的で全体としては皿状顔貌と表現される平坦な顔であった.手指は円柱状指を呈し,下肢では両股関節に開排せ制限を認めた.全身のX線像からは股関節,膝関節,肘関節,いずれも両側性の脱臼が認められた.以上よりLarsen症候群と診断した.まず膝関節及び足部の治療を優先し,ギプスによる矯正を,1ヵ月後パヴリックハーネスを装着した.生後6ヵ月時に右膝,7ヵ月時に左膝に,11ヵ月で右股関節に観血的整復術を施行した.自立歩行を開始した2歳4ヵ月時より長下肢装具の使用を開始した.術後4年たった4歳11ヵ月の現在では両膝とも脛骨が前外側に亜脱臼しているものの,現在長下肢装具により歩行可能である
©Nankodo Co., Ltd., 2002