発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003019809
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
38歳男.出生後,乳幼児期に混合型脳性麻痺と診断され,歩行不能のまま車椅子生活をしていた.20歳時,左股関節と膝関節の疼痛が出現し,両関節拘縮を認めたため両切腱術を施行し,疼痛は軽減した.5~6年前から左股関節が脱臼し,牽引療法を施行するも脱臼は進行し,安静時病も出現してきた.種々の薬物療法は無効で,局所麻酔薬を用いた左股関節内注射単独では十分な除痛が得られず,周囲筋への局所注射を合せて,疼痛は半減した.歩行不能で,切腱術,骨頭切除術いずれの単独手術にても除痛効果に不安があったため,RIAを選択,施行した.術後から左股関節痛の軽減が認められ,経過良好であった.術後9ヵ月の時点で右股関節痛が顕著となり,右側にも同様にRIAを施行した.術後,右股関節痛は消失し経過は良好であった.術後1年,骨盤傾斜は右上位に戻り,脊柱右凸側彎に伴い腰痛を訴え,経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2002