発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001251211
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は28歳女で,主訴は腰痛,右下肢痛及び歩行障害である.不妊の為ホルモン療法中双胎妊娠となった.初診時は起立歩行は可能であったが双胎出産後の再診時には,起立歩行不能の状態で,疼痛のため股関節可動域は屈曲・伸展とも著明に制限されていた.又,健側に比し約3cmの脚長差を認めた.再診時股関節X線所見では,右大腿骨は骨頭下骨折を生じており,骨盤全体も高度の骨萎縮像を呈していた.右大腿骨骨頭は大部分消失しており,人工骨頭置換術を施行した.摘出骨頭の病理学的所見では,髄腔内には脂肪変性と炎症に伴うリンパ球浸潤が認められた.術後カルシウム製剤,活性化ビタミンD3の投薬を行い,術後1年8ヵ月の現在,膝関節に骨萎縮が残存するが育児や日常生活動作には支障はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001