発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016139122
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症例1は82歳女で、黄疸を主訴とした。精査の結果、肝門部胆管癌の診断で肝右葉切除術を施行したが、手術4時間後にドレーンから800ml/時の出血を認めたため、再手術を行った。症例2は35歳男で、転落受傷による腹痛を主訴とした。腹部CTにてIIIb型肝損傷の診断で緊急開腹術を行い、肝裂傷部を縫合し、右横隔膜下と肝下面に閉鎖式シリコンドレーンを留置し閉腹した。手術3時間後に横隔膜下ドレーンより600m/時の鮮血の流出を認めたため、再手術を行った。症例3は75歳男で、検診の腹部CT検査にて骨盤腔に8×6cmの腫瘤を指摘され、悪性腫瘍を否定できず摘出術の方針となった。腫瘍は仙骨静脈叢と強固に癒着し、腫瘍を剥離摘出すると仙骨前面から大量出血を認めた。3例とも大量出血に対し圧迫や縫合による止血を試みるも困難で、最終的にガーゼパッキングを行い、止血が得られた。
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