発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015149838
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76歳男。呼吸困難、下腿浮腫を主訴とした。腹部全体が著明に膨隆しており、胸部X線では右横隔膜が挙上し心拡大がみられ、腹部CTでは左上腹部を中心に胃体下部~前庭部に接する22×16cm大の巨大腫瘍を認めた。腫瘍は血管増生が目立ち、内部は壊死傾向がみられた。入院時よりの呼吸困難、頻脈、乏尿が増強して入院3日目にチアノーゼが出現し、腫瘍による呼吸不全、急性循環不全を呈したと考えられたため緊急手術を施行した。手術所見で26cm大の巨大な腫瘍が上腹部の網嚢内に存在し、胃・横行結腸・膵体尾部への浸潤が疑われたため、腫瘍切除+横行結腸部分切除+幽門側胃切除+膵体尾部脾合併切除術を行った。腫瘍は26×23×22cm大で、病理組織学的に横行結腸原発のGISTと診断され、他臓器への浸潤は認めなかった。術後69日目よりimatinibの投与を開始したが、術後8ヵ月に多発肝転移・局所再発を認め、sunitinib投与に変更して治療継続中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015