最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 症状緩和をして終末期を支えるには
腹部膨満感
新城 拓也
1
1しんじょう医院
キーワード:
緩和ケア
,
腫瘍
,
腸閉塞
,
腹水症
,
便秘
,
ターミナルケア
,
腹部膨満
Keyword:
Ascites
,
Constipation
,
Intestinal Obstruction
,
Neoplasms
,
Palliative Care
,
Terminal Care
pp.1201-1206
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056493
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腹部膨満感は,がん患者に多く,悪心・嘔吐,呼吸困難を合併する.原因として,便秘,腹水,消化管閉塞がある.便秘には,X線検査,投与中の薬剤から原因を検索する.治療は,刺激性下剤,浸透圧性下剤を投与する.浣腸や摘便,腹部のマッサージ,温罨も組み合わせる.腹水は,原因としてがん性腹膜炎,肝硬変の合併がある.腹部エコーで原因を検索する.対処としては,利尿薬,腹水穿刺,腹腔静脈シャント,腹水濾過濃縮再静注法がある.消化管閉塞には,腸管内に腸液が大量に貯留している場合と,腫瘍の実質成分が増大し腹部に充満している場合がある.腸液が貯留している場合には,コルチコステロイド,腸管運動改善薬(panthenol,metoclopramide,misoprostol)の投与で腸管運動を回復させ,octreotideの投与で腸液の再吸収を促す.食事の指導が必要である.
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