Robotic surgeryの今
総論 Robotic surgeryのこれまでの開発と現状
大内田 研宙
1
,
橋爪 誠
1九州大学 先端医工学診療部
キーワード:
機器のデザイン
,
コンピュータ支援手術
,
ロボット
Keyword:
Equipment Design
,
Surgery, Computer-Assisted
pp.799-803
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012332506
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医療分野、特に外科手術領域におけるロボット開発は、二つの特徴的な機能である画像誘導機能(ナビゲーション機能)とマニピュレーション機能を中心にすすめられてきた。ナビゲーション機能は、術前や術中の多くの情報に基づいた正確な位置決めを可能とし臨床応用されているが、まだ開発段階といえる。一方、マニピュレーション機能はマスタースレーブ型ロボットとして開発がすすめられ、現在世界中に普及するにいたっている。わが国でもこのタイプのロボットシステムが薬事承認され、2012年4月から、このロボットによる前立腺摘出術が保険診療として認められている。コストに関する問題はまだ十分に解決してないにもかかわらず、先端医療に関心がある優秀な外科医を確保するためにはロボット手術の導入は不可欠な要素としてとらえられ、多くの病院が導入をすすめている。本稿では、画像誘導機能(ナビゲーション機能)を主体とするロボットおよびマニピュレーション機能を主体とするロボットシステムのこれまでの開発の経緯、および現在のロボット手術の中心であるマスタースレーブ型手術支援ロボットの現況を解説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2012