手術症例報告
潰瘍性大腸炎における大腸全摘・J型回腸嚢肛門吻合術後afferent limb syndromeの特徴と対処法
大北 喜基
1
,
荒木 俊光
,
近藤 哲
,
内田 恵一
,
毛利 靖彦
,
楠 正人
1三重大学 大学院消化管・小児外科学
キーワード:
開腹術
,
術後合併症
,
大腸炎-潰瘍性
,
腸閉塞
,
発生率
,
腹腔鏡法
,
回腸嚢肛門吻合術
,
治療成績
,
注腸造影
,
結腸貯留嚢
,
大腸切除
Keyword:
Barium Enema
,
Colitis, Ulcerative
,
Intestinal Obstruction
,
Laparotomy
,
Laparoscopy
,
Postoperative Complications
,
Incidence
,
Proctocolectomy, Restorative
,
Treatment Outcome
,
Colonic Pouches
pp.1721-1726
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017128657
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潰瘍性大腸炎(UC)術後に発生した回腸嚢口側腸管の屈曲及び捻転による通過障害(ALS)について報告した。UCに対する大腸全摘・J型回腸嚢肛門吻合術(IPAA)後に腸閉塞と診断された19例の内訳は、癒着性腸閉塞12例、ALS 6例、吻合部狭窄1例であった。ALS 6例のうち4例に回腸固定術と4例中2例に狭窄形成術を行った。IPAA術後に発症した腸閉塞は、afferent limbの強い屈曲が原因である可能性があり、間欠的な再発性の閉塞症状がみられた際にはALSを疑うことが重要であると考えられた。また、診断には様々な検査が必要とされ、治療には回腸固定術が簡潔で有用な方法と考えられた。
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