胆道癌診療ガイドラインを学ぶ 最新のエビデンスとコンセンサス
非手術的治療 切除不能胆道癌に対する胆道ステント
露口 利夫
1
,
酒井 裕司
,
杉山 晴俊
,
宮川 薫
,
石原 武
,
横須賀 收
1千葉大学 大学院腫瘍内科
キーワード:
ステント
,
胆道腫瘍
,
診療ガイドライン
,
胆道ドレナージ
Keyword:
Biliary Tract Neoplasms
,
Stents
,
Practice Guidelines as Topic
pp.66-70
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009071805
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胆道癌診療ガイドライン作成にあたり苦労させられたのは、この領域には高いレベルのエビデンスが不足していることにある。切除不能とする基準自体が施設間で大きく異なり、局所進展因子ではそのコンセンサスが得られていない。推奨文の多くはガイドライン作成委員の間でも意見の一致をみないことがあり、コンセンサスを得ることは容易ではなかった。切除不能例に対する胆道ステントとしてmetal stentが望ましいと推奨しているが、"開存率からみると"というただし書きが付記されている。これまでのエビデンスでは、metal stentはplastic stentに比べ開存期間は有意に長いが生存率に差がないためである。また、ステント関連の論文に含まれる対象例の多くは膵頭部癌であり、胆道癌を対象とした本来のエビデンスの蓄積がまたれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009