膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の最新知見
ムチン発現とその臨床的意義
米澤 傑
1
,
東 美智代
,
野元 三治
,
後藤 正道
1鹿児島大学 大学院人体がん病理学
キーワード:
Mucins
,
腫瘍侵入性
,
免疫組織化学
,
Mucin-1
,
膵管癌
,
Mucin-2
,
Mucin-5AC
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Mucins
,
Neoplasm Invasiveness
,
Mucin-1
,
Carcinoma, Pancreatic Ductal
,
Mucin-2
,
Mucin 5AC
pp.483-492
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008184839
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第11回国際膵臓学会(2004年)でのコンセンサスミーティングにおいて、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)がgastric type,intestinal type,pancreatobiliary type,oncocytic typeの4つの組織亜型に分類されたが、頻度が高いのはgastric typeとintestinal typeである。「IPMN/MCN国際診療ガイドライン(2006年)」に述べられているIPMNの「主膵管型」の多くがIPMN-intestinal type(大腸絨毛腺腫に類似した組織像を呈し、MUC1陰性・MUC2陽性)であり、「分枝膵管型」の多くはIPMN-gastric type(胃腺窩上皮に似た円柱状細胞の増殖像を呈し、MUC1陰性・MUC2陰性)である。ムチン発現様式を加味したIPMNの組織分類は、上記ガイドラインに記載されている「主膵管型は悪性化をきたすことが多いので手術的切除の適応となるが、分枝膵管型は嚢胞径や壁在結節の有無ならびに症状の有無で切除か経過観察かを選択する」という治療方針にも密接に関連する。
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