発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026447
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1972~2002年に経験した膵・胆管合流異常症74症例のうち,胆管非拡張型の15例について検討した.平均46歳で男7例,女8例であった.胆道癌の合併は4例(胆嚢癌3例,肝門部胆管癌1例)であった.癌の合併のない11例のうち9例に対し,胆摘のみが施行され,平均観察期間14年(最長22年)で胆管癌を発生した例はなかった.膵管と胆管が複雑に合流していた1例は慢性膵炎(膵石)を合併しており,胆摘,十二指腸温存膵頭切除,胆管十二指腸吻合,膵管空腸側々吻合し,術後8年を経ているが,経過良好である.呈示した症例(40歳女)については,分流手術を行い,術後10ヵ月経過良好である.更に肝門部胆管癌と診断され,尾状葉合併拡大肝左葉切除,肝外胆管切除,リンパ節郭清,3本の肝管空腸吻合を施行した症例(62歳男)を呈示した.高齢者は別として,若い症例には胆摘,肝外胆管切除,肝管空腸吻合の分流手術が無難である
©Nankodo Co., Ltd., 2002