外科学の進歩と今後の展望
胃・十二指腸外科
愛甲 孝
1
1鹿児島大学 大学院腫瘍制御学・消化器外科学
キーワード:
胃潰瘍
,
医師
,
胃腫瘍
,
消化器外科
,
胃腸内視鏡法
,
医師臨床研修
,
オーダーメイド医療
Keyword:
Internship and Residency
,
Physicians
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Stomach Neoplasms
,
Stomach Ulcer
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Precision Medicine
pp.408-414
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007206109
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胃・十二指腸外科学の進歩は、潰瘍と癌を対象疾患として、時代的変遷が展開されてきた。潰瘍の診断・治療の進歩は成因論の歴史でもあり、研究成果の前後で、その治療法も大きく変化した。胃癌の手術においても早期癌が約半数以上を占めるようになった今日、縮小手術、内視鏡下手術が導入され、癌治療の個別化が推進されつつある。今後は医学研究および医療現場の環境の多様化に伴い外科学の位置づけも大きく変化するであろう。今、外科学を担う若い医師たちの医療環境の劣悪化がすすんでいる。加えてプライマリケアを主眼とした研修義務化後、大学に学ぶ次世代の若い外科医が減少しつつあることは、医療のみならず、医学研究の発展に大きな支障となっている。今後、若い学徒に魅力的な外科学を示すには、また社会から求められる外科学を目指すには、われわれ学術集団あるいは個人が、社会に対して問題提起と国民への理解を求むべく、なおいっそうの努力をする必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2007