十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略
乳頭部腫瘍の診断 乳頭部腫瘍に対するnarrow band imaging(NBI)併用拡大内視鏡による診断
内山 勇二郎
1
,
今津 博雄
,
角谷 宏
,
田尻 久雄
1東京慈恵会医科大学 内視鏡科
キーワード:
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
腸粘膜
Keyword:
Duodenal Neoplasms
,
Duodenoscopy
,
Intestinal Mucosa
,
Ampulla of Vater
pp.1122-1128
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
乳頭部腫瘍に対する新しい診断法の試みとしてNBI(narrow band imaging)を併用した拡大内視鏡(magnifying endoscopy combined with a narrow band imaging system:MENBI)を紹介する。MENBIは粘膜表面の微細構造の観察と微細血管像の視認性に優れる。MENBIで観察される乳頭部の表面微細構造を三つのパターンに分類した。また癌の症例では屈曲、拡張、網目状変化など異常血管の出現がみられた。微細構造パターンや異常血管の有無は病理組織を反映しており診断への有用性が示唆された。しかし、特徴的な血管像やパターンの組み合せなどにより病理診断を類型化するまでにはいたっていない。今後、MENBIによる腫瘍、非腫瘍、あるいは腺腫と癌などの鑑別能を向上し、さらに有用な診断方法として発展させていきたい。
©Nankodo Co., Ltd., 2006