発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006136476
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診断と治療の問題点,すなわちその分類,IPMNと粘液性嚢胞腫瘍(MCN)との鑑別,手術適応,縮小手術,膵内多発・残膵再発,通常型膵癌や他臓器癌の合併について述べた.分類では従来の膵嚢胞の分類にIPMNをどのように組み込んでいくか,MCNとの鑑別は組織学的に切除標本で行うのか,あるいは術前の画像診断で行うのか,最大径3cmで結節隆起性病変のない分枝型IPMNを手術適応とする考え方としない考え方の違いの原点はどこにあるのか,縮小手術に臨むためにはどのような臨床的基本姿勢が必要か,膵癌や他臓器癌の合併からみた経過観察や術後のフォローにおける注意点はどのようなことかなどについて述べた.きちんとした診断と治療を行えば予後良好な疾患であるので,この疾患で患者が命を落とすことのないよう,確実な病態と診断の把握や適切な外科治療が望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2006