発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005187626
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肝門部胆管癌における大動脈周囲リンパ節(No.16)郭清の意義を,本疾患の重要な予後因子である肝臓側胆管断端癌浸潤の有無および術後合併症発生頻度と関連づけて検討した.全切除例でNo.16郭清群と非郭清群とでは術後生存率に有意差はなく,組織学的肝臓側胆管断端癌浸潤陰性例に限ってもNo.16郭清の有無で予後に差を認めなかった.また,No.16郭清例の組織学的No.16転移陰性群とNo.16非郭清群ではほぼ同等の生存成績で,No.16郭清例の組織学的No.16転移陽性群と非切除例の生存成績にも差を認めなかった.加えてNo.16郭清群で術後胆汁漏の発生頻度が有意に高かったことも考慮すると,本疾患でNo.16郭清を画一的に行う意義は見出せなかった.大きな侵襲となる本疾患の手術は,No.16郭清よりも肝臓側胆管断端の癌浸潤陰性化に重きを置くべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2005