発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004145218
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63歳女.主訴は腹痛,腹部膨満.腹部X線で左腹部に小腸拡張像が認められた.腹部超音波検査では同部の小腸拡張および小腸壁の肥厚を認め,少量の腹水も認められた.更に,腹部造影CT検査で門脈から上腸間膜静脈にかけて透亮像が認められた.以上の検査より,腸閉塞症の診断で開腹手術を行った.術直後よりheparinによる抗凝固療法を上腸間膜静脈内に留置したカテーテルより行った.4病日に留置カテーテルより造影を行い,門脈から上腸間膜静脈にかけての血栓閉塞と,胃結腸静脈幹を介する側副血行路形成が認められた.17病日に上腸間膜動脈造影を行い,血栓閉塞部位の側副血行路が十分発達したことを確認し,18病日に小腸吻合した.経口抗凝固療法(warfarin,aspirin)に移行し42病日に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2003